人活辞典

世間人間で恙無く暮らすための道しるべとなるように書いているつもり

魔法

[まほう・マホウ・mahou]

意味

1.この世界が滅亡の危機を迎えたとき、それを回避するために任意の少女達に対して与えられる特別な能力

2.男性が性的清らかさを保持したまま満年齢30歳に到達すると強制的にジョブチェンジが行われる。その後使えるようになるスキルのこと。

3.針威なる英国の少年、父母に先立たれ親族が家にて邪険にされ暮らすも11歳の齢にて畝倶和亞通魔法魔術学院なる処より招きあり以下略

 

補足

金も人脈も無く、己自身の才覚も無い、そういう現実に打ちひしがれて暮らしている普通の人が「…だったらいいのに」と夢想したときに縋る糸。

これは強靭な蜘蛛の糸などではなく、なんと綿飴で紡いだものだ。その日の糧にも事欠いて痩せ細った庶民がぶる下がっただけでも過重となりプッツリと切れてしまう。よしんば切れなかったとしても、飢え耐え難く口にして腹を満たせば消えうせてしまうのだ。そんなわけで我々のような底辺が雲の上の高みに行くのはほぼ不可能だ。

結局、どこぞの魔法学校みたいな都合のよい世界で主人公になれるのは「生まれついて持っている奴」だけだ。残念ながら我々には入学資格すらない。

 

悲観することはない。手足や羽根を持っている輩と張り合おうとしても疲弊するだけ損だ。地を這う虫は虫なりにこの生を謳歌すれば良い、それだけのことだ。

 

 

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