人活辞典

世間人間で恙無く暮らすための道しるべとなるように書いているつもり

胴無し人間

[どうなしにんげん・ドウナシニンゲン・dounashiningen]

意味

昭和40年代頃よりY県のO賜地方で語られたとされる都市伝説。

「胴無し人間」と呼ばれる異形に関する噂である。この都市伝説には幾つか類型が確認されているが全てに共通する事項を以下に挙げる。

1.主人公は友人に連れられて「見世物小屋」・「福祉施設」などの「不特定多数が出入りする場所」を初めて訪れる。

2.そこで「胴無し人間」を目撃する。通常の大人の3倍ほどある異常に大きな頭を持ち、首にあたる部分が急激に太くなっており胸部・腹部は存在せずそのまま腰部に繋がっている。頭の大きさに対して腰部から下の肉体のサイズは高身長の男性と同等であった。

3.巨大な顔面には「仮面」または「プロレスラーのような覆面」がつけられておりその風貌をうかがい知る事は出来ない。作り物だろう、と疑う主人公に対し「本物だ」と主張する友人(或いは施設管理者)は、「だったらあの被り物を剥がして確認してみろ」と挑発。

4.「胴無し人間」は巨大な檻・ガラス張りの部屋などの隔離空間に居る。内心気味が悪いと思いながらも引くに引けなくなり隔離空間に入る主人公であったが、突然「胴無し人間」が奇声を発しながら床に転がり、長い足をジダバタとさせて頭部を軸にしてグルグル回転し始める。

5.驚いた主人公は思わず攻撃を加えてしまう。(手に持っていた傘で殴った、顔面に一発蹴りをいれた、など方法は様々だが何らかのダメージを「胴無し人間」に与えるに至る)「胴無し人間」は気絶したらしく動かなくなった。

6.奇妙な達成感を感じながら主人公は「胴無し人間」の顔面を覆っていた物を剥ぎ取る。するとそこに在った顔は「主人公自身に瓜二つの顔面であった」

 

 

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